歯科医院の開業融資、自己資金が少なくても大丈夫でしょうか?
総投資額の1割程度が一つの目安
横から目線の経営参謀・洞口幹生です。
当社は歯科医院の開業支援をお引き受けすることが多いのですが、
「歯科医院の開業融資、自己資金が少なくても大丈夫でしょうか?」というものです。
これについて、
開業融資を申し込むにあたって、どの程度の自己資金を貯めておくとよいのでしょうか。
多ければ多いに越したことはない、というのは当然ですよね。
当社では、「開業にかかる総投資の1割程度」を一つの目安としてお伝えするようにしています。
ただ、開業予定の先生それぞれに様々な事情がありますから、そこまで貯めることができていない先生もたくさんおられます。
その場合はどうすればよいでしょうか。
不動産担保・生命保険の質権設定・ご両親からの資金援助など
①ご本人やご両親が所有する不動産を担保提供する。
②解約返戻金のある生命保険に質権設定をする。
③ご両親から資金を貸し付けてもらう。
この3点は、自己資金不足の場合に用いる手段として多いものです。
こうした方法を用いることで、自己資金が300万円以下であっても7,000万円や8,000万円の融資を受けることができた事例があります。
金融機関は、リスクをできるだけ小さくしたいはずです。
万が一、返済ができなくなった場合の保全方法として、不動産担保設定や生命保険質権設定をしておくことで、借入金の一部または全部を回収できるようにすることがあります。
ご実家の不動産が絡んでくる場合、将来的に発生するであろう相続とも関係してきますから、ご家族内での入念な話し合いが必要になります。
無理な開業はしない方がいい
自己資金が少なくても、上記のような手段で補完できるのなら問題ないのかもしれません。
ですが、自己資金が少ない中でギリギリの借入をして開業しても、開業から数か月は運転資金は減る一方です。
先生自身やご家族の生活もありますから、あまり余裕のない資金計画で無理に進めるとご家族を不安にさせたり苦しめたりする可能性もあります。
現状の家計の収支を見直してお金が残るようにし、少しの間は節制して開業資金を貯めてから開業に踏み切る…という選択肢もあってよいように思います。
周りの業者さんたちは、どうにかして開業してもらって自社商品を買ってもらおうとされると思いますが、中立な立場で話を聞いてくれる人を味方につけて、落ち着いて冷静に判断されることをおすすめしたいと思います。