開業融資には1ヶ月程度の審査期間が必要
住宅ローンだったら1週間くらいで審査結果が出たのになぁ…
横から目線の経営参謀・洞口幹生です。
開業支援として融資のお手伝いをする際、時々いただく質問があります。
「開業融資の審査は、なぜ1ヶ月程度も必要なのですか?」というものです。
これについて、私見を書いていきます。
私は金融機関で働いたことがありませんから、今回のコラムに書くことが全て正しいとは限りませんので、ご理解の上でお読みいただけたら嬉しいです。
私が開業支援のサービスをお引き受けするにあたって、初回の面談時に、まず開業の時期や場所を教えていただいて、事業の規模イメージをお聞きしたり、自己資金として用意できる金額をお聞きしたりします。
そうすることで、借り入れる金額の概算値を把握しています。
そして、工事開始時期などが決まっている場合には、自ずと融資実行が必要な時期も決まってきます。
そこで、「融資審査には1ヶ月程度の余裕を見ておいてください。」とお伝えしており、冒頭に書いた「なぜ1ヶ月程度も必要なのですか?」となるわけです。
こういう質問をしてくださるお客様のお考えには、「住宅ローンを組んだときは、1週間くらいで審査結果が出たのになぁ…」というものがあるみたいですね。
どちらも、何千万円という高額な融資であることに変わりはないです。
ではなぜ、審査期間にここまで差がつくのでしょうか。
過去実績主義で審査できる融資商品は審査期間が短い
住宅ローンや自動車ローンは、過去の実績を基準にして審査を行なっていると思います。
過去3年分の源泉徴収票を提出したり、過去の他社借入などの信用情報を閲覧されたりして、審査が進んでいくわけです。
こういう融資商品は、審査結果が早期に出る傾向にあるように思います。
信販会社系の自動車ローンを利用させていただいたことがありますが、この時は車屋さんで申込書類を書いて、その場で数分待つだけで審査に通りました。
それに比べて、開業融資は、事業性の評価が必要になってきます。
歯科医院の場合は、事業計画書・診療圏調査報告書・開業趣意書などを用いて、その医院の将来性や計画の妥当性を伝えていきます。
また、実際に面談して院長の人柄や強みを伝えていきます。
過去の確定したデータ以外に、未来の不確定なことを評価して審査するため、時間がかかってくるわけです。
オーダーメイドな要素の強い融資が開業融資であると言えます。
オーダーメイドな融資だからこそ、誰がやるかがとても大切
歯科医院の融資であれば、やはり歯科医院の融資をたくさん手掛けている銀行担当者さんに相談するのがよいと思います。
審査結果を得るのがスムーズですし、融資条件もお客様目線に近いものを提示してくれることが多いです。
また、開業支援をしてくれるコンサルタントを選ぶ際も同じことが言えます。
知識や経験が確かで、きちんとコミュニケーションを図ることのできる相手を選びたいですね。
開業融資の審査には1ヶ月ほどかかると見込んで余裕のある計画を立てて、開業への歩みを進めてください。